これまでにMovementを使って受発注や入出荷などのモノの動きの表し方をみてきました。今回はERP5の主要素の一つであるPathを紹介したいと思います。
Pathは"道"というような意味の英語ですが、取引を行うための約束を表すための要素です。今までに紹介したMovementは移動を表す要素で取引ひとつひとつを表すものでしたが、Pathはその取引の前提条件になっている約束事を表す要素です。モノが移動するための道、売買を行うための契約、これがPathです。
Pathの形はMovementに似ていて約束を交わす二者がいます。それをsource_sectionとdestination_section、sourceとdestinationなどを使って表します。Movementとの違いはPathが表すものはあくまで約束なのでPathによって実際にモノが動くことはないということです。
以下はPathの概念図です。
販売価格や仕入価格をPathを使って表します。
source_section:A社 destination_section:B社 期間:2014年いっぱい resource:商品X base_price:1000円 この例では2014年内に行われるA社とB社の取引(A社からB社に販売)の中で商品Xの単価を1000円とするという意味になります。
source_section:A社 destination_section:B社 期間:2014年いっぱい resource:商品X base_price:1000円
この例では2014年内に行われるA社とB社の取引(A社からB社に販売)の中で商品Xの単価を1000円とするという意味になります。
上の例ではsource_section, destination_setion, 期間とresourceという4つの値を使って単価を登録しましたが、どんな条件でもPathに組み込むことができます。例えば単価がさらに届先によって変わってくるのであれば届け先を表すdestinationをPathに保存する値として加えることができます。
単価の情報がPathに登録されていればMovementを入力するときに人間が単価を手入力する必要はありません。システムがMovementに合うPathをみつけて単価の欄を埋めてくれます。
電子商取引のためのコードを表すためにもPathを使います。届先を表すためのコード、品物を表すためのコード、どんなコードでもPathで表現できます。もし自社がsource_sectionで表されるのであれば、自社のコードを登録するのにsource_reference、相手のコードを登録するのにdestination_referenceを使います。
source_section:A社 destination_section:B社 期間:2014年いっぱい resource:商品X source_reference:X1103 destination_reference:9410 この例では2014年内に行われるA社とB社の取引の中で商品XをA社ではX1103というコードで表し、B社では9410で表しているという意味になります。
source_section:A社 destination_section:B社 期間:2014年いっぱい resource:商品X source_reference:X1103 destination_reference:9410
この例では2014年内に行われるA社とB社の取引の中で商品XをA社ではX1103というコードで表し、B社では9410で表しているという意味になります。
電子注文情報が届いたらその中に埋め込まれているコードをPathに従って解釈して正しい商品を選択できます。Pathはいくらでも作れるのでたくさんの取引先との間に何種類のコード体系があっても登録できます。
様々な意味合いのPathをシステムに登録したらそれらはCategoryを使って好きなように分類します。そうすることでどんなにPathで扱う種類が増えても問題になりません。
Pathの分類の例
以上、Pathの基本を紹介しました。Pathの概念とどんなときに使うのかの基本を理解していただけたと思います。次回はPathを使った応用例として取引時の単価を計算する仕組みについて紹介したいと思います。
読んでいただきありがとうございました。